ラジオ
深夜ラジオが好きだ。
2018年頃自分は世界に一人ぼっちで不安とイライラに悩まされ、ついには学校に行かなくなっていた。夜中は眠れず、朝は起きれず本当にどうしようもない日々が続き、何をしても自暴自棄になっていた。
その時日中は寝ているので夜中は寝れず起きている。ふと自分の枕元のラジオの存在に気づく日があった。普段そのラジオはCDプレイヤーとしか使っておらず、ラジオ放送を聞く事など一度もなかったのだが、あまりにもやることがなかったのかその日僕は初めてチューニングした。
と言っても昔ながらのダイヤル式ではなくボタンをカチカチしてチューニングをする液晶ディスプレイが付いているタイプのラジオだ。
カチカチとボタンを押し進める。ニッポン放送や文化放送、TBSラジオ等の番号も当初知らなかったので、僕は無心でボタンを押し進めた。
時々音が聞こえてきて止める。音が聞こえてきたら止める。を繰り返していたらあるラジオ番組に繋がった。そこでは受験生応援コーナーみたいなことをしていて、すごく賑わっていた。僕は何だか不思議な感覚だったのを覚えている。テレビとは違う魅力を感じた。映像が無い耳だけで楽しむバラエティ番組のようなコンテンツは初めてだったからだ。
のちにその番組は「お天気ノリのレコメン」だったことを知る。それから少しずつ僕はラジオに触れていくようになった。
スマホで有名な局を調べ、聞いてみることにした。まだ曜日ごとのレギュラーも知らないまま聞いたニッポン放送でその日担当していた人はまさかの「くりぃむしちゅー」だった。
一夜限りの復活放送にばったり立ち会った。もう抱腹絶倒だった。
その時久々に笑ったのを思い出す。内容は本当にしょうもなくて、でもしっかり面白くて、学校のつまらないノリとかと比べると天と地の差。その頃の鬱屈した自分にピッタリのコンテンツだった。
それから「大倉くんと髙橋くん」や「根本宗子と長井短のオールナイトニッポン0」などを聴き始め、今は「三四郎のオールナイトニッポン0」や「霜降り明星のオールナイトニッポン」を欠かさず聴いている。
日常はつまらない会話やノリで溢れている。深夜ラジオはそんな日常から僕を切り離してくれる存在だ。話や表現者のプロが試行錯誤を繰り返し、声という音で人を楽しませる様はとてつもなくカッコ良い。
「三四郎のオールナイトニッポン」で初めてコーナーメールが読まれた日もよく覚えている。
相田さんが「えーRNお雑煮…」と言った途端深夜2時にもかかわらず飛び上がり喜んだ。その瞬間、ほんの一瞬だけ三四郎さんとの距離が近く感じた。その感覚が何だか不思議で面白かった。しばらくニヤつきが止まらず、読まれた日の放送を何度も繰り返し聴いたりしていた。
すごく幸せだった。嬉しくて悩みとかその時だけどうでもよくなっていた。
現実は少しでも忘れる時間がないと生きていけない。そう思う。
いつの間にかラジオは僕に欠かせないものになっていて、毎週金曜深夜一時からは現実を忘れさせてもらっています。ラジオ大好き。